未だにあたしの体に残る甘い余韻が、切ない胸を締め付ける。 覚束無い足取りで、洗面所に向かった。 「...!?」 洗面所の鏡に姿を映した途端、絶句する。 「...なに、これ」 首筋や、胸元が、所々赤くなっていて。 鏡に体を寄せてまじまじと見つめると。 もしかして、キスマーク? 数えてみると5個以上あって、大量に蚊に咬まれたみたいに思えた。 その赤いしるしの多さに、驚く。 そして、切なくなった。 「なんで...」