今、楓の左手の薬指には、

ダイヤモンドがあしらわれたエンゲージリングがキラキラ輝いてる。


楓は、

「付き合ってたのは短いかもしれないけど、レイとならいいって本気で思ったんだ。」って幸せそうに微笑んで指輪を見つめてた。

あと、「霧崎さんのこと、言わなくてごめんね。」とも。


あたしは嬉しくて、「幸せになってね。」って言ったんだ。

「気が早いよ。」って笑われちゃったけどね。


あたしにとって、楓は憧れ。

あんなカッコイイ人と婚約して、幸せ掴んで。

魅力たっぷりで、ホント羨ましい。


楓みたいに、幸せ掴みたい。

でも当分、ムリかな。


今も変わらずあたしが幸せを感じたい相手、霧崎さんが...

もう、いないから。