『502 KIRISAKI』と刻まれたプレートの前に立つ。 変に緊張する......。 右手に合鍵を持って、差し込もうとするけれど。 直前で手が止まってしまう。 その右手は、寒くもないのにぶるぶると震えていて。 だめだ。 こんなことで怖気づいちゃってたら、だめだ。 勇気出さなくちゃ。 行けっ、あたし! あたしは意を決して解錠し、勢い良くドアノブを回した。