「本、すごいなぁと思って...」 「あ?...ああ、まあな。」 なんでもないといったような感じで、頷いた霧崎さん。 青大の人はこれが普通なんだなぁ。 あたしの家にいるときはそんな素振りも見せなかったけど、こうして帰ってきたときは難しい本読んでたんだろうな。 合コンで会った人も、賢そうだったし。 ...名前は忘れちゃったけど。 「それより風呂、冷めんぞ。」 「あ、はい。」 そう促されて、本の棚から離れたあたしは浴室の場所まで案内してもらった。