ため息に、哀


次の日の俺は、いつもとは一味違った。

いや、当社比ですけど。

たぶん周りから見ればいつもと同じですけど。


俺は決めたんだ。

高橋先輩に告白するって。




今日の部活は午前だけ。

体育館の2つのコートのうち、ひとつは男バスが、もうひとつは女バスが使っている。

高橋先輩が男女バスケ部のマネージャーということもあって、練習試合で他校に行くとき以外はほとんど男女の練習スケジュールは一緒だ。


部活に来る途中はそわそわしすぎて三回ぐらい転びそうになった俺だけど、練習が始まると、自然と心が落ち着いた。

身体中に響く、低くて重いボールの音。

ワックスで磨いた床のにおい。

その中にいると、上手いとか下手とかそんなことは関係なく、俺は純粋にバスケが好きなんだと感じることができる。



今日は、なにもかもうまくいく気がする。

告白の結果がどうあれ、それはきっと確かな自信につながるから。