その後、誰が用意したのかビンゴ大会になり、結局パーティーがお開きになったのは空がオレンジ色になってからだった。

薄とのことはあったけど、部活中じゃなく、もっと自然体な高橋先輩の姿をずっと見ていることができて幸せだった。



部活中の先輩は、めったに笑わない。

いつも真面目で厳しい表情をしている。

だからこそ、練習が終わった後にお疲れ様、と微笑まれるだけで、俺を含めた部員はみんな浮かれてしまう。

そういう、ヘラヘラしてるだけのマネージャーじゃないってところは本当に尊敬する。



たくさんのプレゼントを抱えた高橋先輩が帰る。

大きなクマの抱き枕が抱えきれずに落ちてしまいそうになり、思わず声を出しそうになった瞬間、それをさっと受け止めた人がいた。

須賀先輩だった。

微笑み合って少し言葉を交わしたあと、二人は揃って学校を後にした。


夕陽に向かって歩く二人の影は重なってしまいそうで、でも重ならなくて。


その微妙な距離が、先輩たちらしいと思った。