パーティーが始まって、代わる代わるみんなが高橋先輩に話しかける。

でも俺は、近づけない。

考えてみてほしい。

女のマネージャーの先輩に、そんなに気軽に後輩部員の俺が話しかけられると思う?

しかもそんなに主張するような性格でもないし、薄のようにプレイで目立つわけでもない。

女子部でももちろん大人気の高橋先輩は、みんなに囲まれてずっと笑ってる。


可愛いなあ。

可愛いだけじゃなくて綺麗だし、危うさというか神秘的な感じもする。

こうやって遠くから見つめてるのが俺の精一杯だ。


「潤、見すぎ」


いつの間にか俺の隣に立っていた薄がぼそりと呟いた。


「だって俺話しかけれないし、しょうがないじゃん」


女々しすぎる、俺。


「情けねーな」


薄は紙コップに入っていたジュースを飲み干して、高橋先輩の方に歩いていった。