理衣沙side

はっとして目を開けるとそこは病室で。

見渡すと、ボストンバックがおいてある。

きっと寝ている間にあの人が置いていったのだろう。

トントンッ

ドアを見ると先生が
入って来た。

「気分はどう?」

「大丈夫です。」

「体は平気そうだね…。」

あたしは頭に何個ものハテナを浮かべた。

「君が何抱えてるのか僕に話してくれないかな?」

「別に何もないですケド…」

「ホントに…?
そんな顔して、説得力ないよ。何にも気にしないで
話してごらん…。」


話す気なんて少しも
なかったのに…、

1人でも強くならなきゃって思ってたのに

先生の声を聞いたら安心して涙が出てきた。

そして、話なんかまとまってないし
どんな風に話していいのかも分かんないのに
口が勝手に動き出していた。