「…はぁ」 私は未だに教室へ入るタイミングを掴めずにいた。 「…秀也。そういえば何で彼女と別れたんだよ。うまく行ってたように見えたのに。昨日、振られたんだろ?」 「……あぁ、その事か…」 一之瀬のその言葉で二人の雰囲気が変わった。 秋山君は多分言い辛そうな顔をしているんだと思う。 ――秋山君の事が知りたい。 私は強くそう思った。