「俺さ前から好きな人いたんだ」






そんな秋山君の小さな呟き。


それを合図にしたかの様に秋山君は静かに語り始めた。




「でもその相手には絶対思いは告げられない。だからずっと自分の気持ちに嘘を吐いてきた」




そこまで言って秋山君は黙り込んでしまう。





「…好きな人って優希?」


「…そうだったらまだ良かったんだろうね」






そう言った秋山君の声は少し悲しそうだった。