「どうかした?」

あ……。

なんか、伊勢谷がドアップになってる…。

こ、これって…。

「篠田ー?」

か、かかかかかか…。

ボッと顔が熱くなる。

「顔……」

「ん?」

「顔、近い…」

下を向きながら訴える。

この、無自覚っ…。

伊勢谷はさっきより焦って私から離れていった。

私にかかっていた影が引っ込んでいく。

伊勢谷の彼女になったら大変だろうな…。