いつまでも君を見ている

伊勢谷って、結構意地悪だからな…。

私が伊勢谷の事をジッと見ていると、伊勢谷が、なに見てんだ、と言うような顔をしてきた。

「…別に」

伊勢谷から視線を外し、顔をそむける。

すると伊勢谷が突然声をかけてきた。

「あ、なぁ。ちょっと行きたいとこあんだけど。いい?」

「…私も?」

「篠田がいないと意味ないから」

「…え?」

意味がない?

なんで?

どこ行くの?

私の頭の中は疑問でいっぱいになる。

電車で揺られて1時間ほど。

東京と比べれば田舎だけど、東京と結構近い茨城県内。

伊勢谷に連れてこられたのは、海だった。

「わぁ……」