いつまでも君を見ている

弁護士が座り、裁判長が私の方をむく。

「証言、ありがとうございます。証人は退場してください」

そう言われ、裁判に背を向ける。

部屋を出た後、伊勢谷がすぐに呼ばれ、行ってしまった。

私は近くにあった椅子に腰をかける。

疲れたー……。

裁判って、こんなに緊張感があるんだ。

初めてしった。

伊勢谷を待ってる間は、携帯をいじっていた。









しばらくして、伊勢谷に声をかけられた。

裁判が終わったらしい。

周りもザワザワしている。

「帰る?」

「うん」

私と伊勢谷はそのまま裁判所をあとにした。

ボーッと歩いていると、伊勢谷に手を引かれた。

「わっ!」

「ボーッとしてると、こけるしぶつかるし人に迷惑だし…」

「もういい」

まだ言いそうな勢いだった伊勢谷の言葉を強引に終わらせた。