泣いてはいけない、と思うほど、涙が溢れてくる。

「ごめ、ごめんね……なにもできない、無力で……!」

周りが撃たれているのに、なにも出来なかった。

自分だけ無事で。

自分は笑って。

過去でも、今も──。

こんな自分、嫌いだ。

無力すぎて、もう、みんなの前から居なくなりたい。

私は考えることなく、伊勢谷の胸に飛び込んだ。

無意識に。

「……おい」

「消えたい……」

「おま、何言って……」

こんなの、やだ。

こんな自分、居たって意味ない。

だったら消えたい。