いつまでも君を見ている

「…」

「篠田は、ああなることなんて、わかんなかっただろ」

「…」

黙って、伊勢谷の話を聞いていた。

黙りたくて黙ったんじゃない。

言葉が出なかった。

「…傷口、痛む?」

伊勢谷が撃たれた左の二の腕に優しく手を被せる。

なにも出来なかったから。

こうしてあげるのが一番だと思った。

「もう、体育もできるし、大丈夫だ。それより、篠田は?体の痣とか、額の傷」

「大丈夫だけど、体育は見学するよう言われた」

伊勢谷が、そっか、と言うと、私の目に涙が浮かんできた。

「…う……」

「?!おい、何泣いて……」