いつまでも君を見ている

冷静な判断が出来なくて。

妹も、お父さんも、お母さんも、傷ついてるのに。

なにも出来なかった。

ダンッ……

また、銃声がした。

男の方を見ると、お母さんに銃を向けてる。

お母さんは、なにも言わない。

奇声も、あげない。

「おかあさん?」

男は、いつの間にか居なくなっていた。

聞こえる音は、お父さんと妹の息。

それ以外は、なにも聞こえない。

お母さんに近づくと、お母さんは血だらけで倒れていた。

「…おか、さん?」

血は、幻?

幻覚?

嘘、だよね……?