「ショウってば!はぐらかさないでよーっ」



とうとう我慢できずに、わたしはショウの腕を掴んだ。

そして前に出て、向き合う。



「俺も全然分かんねーの。王さまにお前を連れてくるように言われただけ」

「それ、ウソだ!ほんとは知ってるんでしょ」



ショウの爽やかさに騙されてはいけない。

彼は爽やか王子っていわれてるけど、わたしには少々意地悪王子。

でも今は、彼しか頼れる人がいないんだもん。



「不安だし…ちょっと怖いんだよ」



わたしは力なく言った。






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