「…花」
「ん?」
心臓の高鳴りを隠すように
あたしも強く廉を抱きしめる。
「…好き、俺と…付き合って」
耳に優しくて低い廉の声。
恥ずかしさを隠すようにあたしの首元に顔を埋めて。
廉、あたしがずっと欲しかった言葉。
16年間ずっとずっとずーっと。
16年間の年月が長すぎて
お互い言えなかった。
その壁を壊せなかったのに。
あたしの涙で廉の服がぬれていく。
何度も廉の肩で頷くと廉の手があたしの
頭を撫でた。
「…本当に、いいの?」
良いに決まってるよ。
あたしはずーっと廉だけだったんだもん。
「良いに決まってるじゃん!ばか!」
強気にでたかわいくないあたしの言葉も
廉がハハ、と笑って流してくれる。
廉、廉、廉。
こんなにも愛おしい。

