『どーして…なの??』
『どうしてって…単純にむかつくから。』
『へ?』
『だいたいうちね、結構前から理子のことキライだったから。』
『はっきりした…理由はあるの?』
フシギでたまらなかった。
どうして今の今まで一緒にいたのか。
不満な顔ひとつ見せたことない絵理がどうしてそのようなことを。
『そんな正論ないけど…理子調子乗りすぎだと思うの。ちょっと顔がいいからってさ、男子とイチャついちゃってさ。きもいっつーのみたいな。フフッ』
絵理から黒い笑いが漏れた。
もしかしてこれが本当の絵理・・・?今まで見せていたのは仮の姿だったの…?

あの時あたしは愚痴のことをすぐに否定してほしかった。
もし事実だとしてもごめん、と素直に謝ってほしかった。

そんなことなど今は届かぬ願いになっていた。

その後からだった。あたしへの悪夢のようないじめが始まったのは。
暴言や暴行は当たり前。
あざは一ヶ月もたてば消えるけれど心におった傷はいつでも痛む。

時々、ぬぐいきれないような気持ちに襲われる。
悲しいような、切ない気持ち。
いじめをしている側からすればあたしのいじめなどちっぽけだったかもしれない。
でも、いじめをされている側からすれば言葉に出来ない程重いモノなのだ。
片手にお菓子を持ち、おばあちゃんの家へ帰ると静かな、居心地の悪い空気だった。
結局おばあちゃんの家にいっても何も変わらないのか…。





「ただいま」