学校へ行きたくないな…。
そう思っていると一日の過ぎる早さが早く感じてしまうもので。
あっという間に土日が過ぎていた。
あたしは渋々学校へと向かっていた。

絵理にあったら何言われるのだろう。
男の子のことばれてしまうのかな…。
かかえきれない程大きな不安を抱えながらあたしは教室のドアへと手をかけた。
あけようとした。
その、瞬間に。

『おはよ、理子♪』
来ていたのだ。
もう、すでに。
『西本さん。聞いたよ~!!』
自分の名字を呼ばれたことに敏感に反応したあたしは呼ばれた方へと顔をむけた。
そこには5,6人の女子のグループ。
嫌な予感がした。

『はい、みんな-席につけ-』
グループの頭だと思われる、浜手未來の口が開かれる前に先生がやってきた。
ほっ。
あたしは思わず安堵した。
これで、完全に助かったと言える訳ではないけれど。

きっと、羅斗のこと言われるんだろうな。
あたしはどうにか何かを言われないような返事を考えていた。
当然、大嫌いな先生の話など上の空だった。

キーンコーンカーンコーン
チャイムと共にさっきのグループは固まってこちらへやってくる。
あたしなりの返事はもう考えていたので、どうにかなるだろうとあたしは強気でいた。
『昨日男の子と2人でいたそうじゃなぁい??』
未來が言う。
『居たけど?』
あたしは動じないよう、に返した。
とにかくあたしの心の中には`強気’の二文字だけで埋め尽くされていた。



『あれ、誰なのよ。結構顔が良かったっていう噂よ?』
何が、噂だ。
どうせ絵理から聞いたのでしょう?
『あれね。あたしのお母さんの友達の息子なの。』
これがあたしなりのあたしがさっき考えていた返事。
後々ややこしくなるのは承知だった、
『へ~ぇ?そうなの~。ふ~ん。』
あたしの身体を上から下までなめるように見られた。
正直面倒くさかった。

だってそうでしょ。
どうしてアナタ達は男の子と一緒にいてもいいのに、あたしは一緒にいてはいけないの?
喋ることさえダメなのは何故?
訳が分からなかった。

早く家に帰りたい。
そう思っていた。