心の薔薇.

「簡単になれる訳ないだろう。けど、気づいちまったんだ。オレの中にある力にな。地獄の王を倒せる位の、恐ろしい力にな。」
「……なっ…んな力が、普通の人間だった父さんにある訳が……。」
「ふっ…なら、その力を見せてやろうか…?オレの偉大な力を。」
俺はつばをのみこんだ。
こいつは、もう俺の知ってる父さんなんかじゃねぇ。
闇にとりつかれた、悪魔だ…。
俺はそう頭で繰り返した。
「あぁ…俺は、お前を倒しに来たんだ…!」
そう言うと、ゴーザスは鼻で笑った。
「…お前がか…?まぁ予想はしていたがな…。オレはお前がここに侵入してきたことを知っていた。カメラなんかじゃない。空気の匂いでわかった。だが、お前だからむやみに殺そうとはしなかった。お前に直接会ってみたいという気もあったからな。まぁ…ここまで、あの険しい道を乗り越えられるとは夢にも思ってなかったけどな。」
侵入してきた時から知っていた、だと…?
何だよソレ…。。
「それなら…なんで、俺だってわかったんだよ…?」