心の薔薇.

…誰もいない…。
「お前達が幕の裏にいることはわかっているぞ。」
頭の裏側から、声が聞こえてきた。
俺は、驚いて目を見ひらいた。
なんでだ…
俺の中から…
俺の頭から…声が聞こえてくるなんて…。
「秀雄…。」
「あぁ…ゴーザスの声だな…。くっそ…ここまで苦労して裏から回って来たっつーのに…」
額に汗を書きながら、俺は幕の表側にでた。
リリアも俺と同様、幕の表側にでた。
「…お前は、今どこにいるんだ…!!」
俺は、ほえるようにさけんだ。
そしたら、また頭ん中に言葉が聞こえてきた。
「オレはお前達の前にいる。」
俺とリリアは、バッと先を見た。
すると、前の扉がゆっくり開いた。
俺は、つばをのみこんだ。