ゴンドラはゆっくりと上昇していく。
そのせいか、時間までゆっくりと進んでいるように感じる。
何気なく下をのぞくと、1組の親子が見えた。
楽しそうにはしゃいでいる子供を見ていると、何だか鼓動が速まる。
これは今に始まったことではない。
中学生の頃から、幼い子供の楽しそうな顔を見ると背中の傷が疼く。
きっと、それは嫉妬に近いのかもしれない。
親もいない、楽しい思い出もない。
同じ人間なのに、どうして私は幸せじゃないの?
あの子はあんなに幸せそうなのに……
そんな卑屈な精神が頭をもたげるのだ。
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