「穹」




ふいに呼び止められ、進みだしていた歩を止める。




振り返ると、優しげに微笑む優の笑顔があった。




「もしなんかあったら俺に言え」




不器用な彼の切実な言葉。




精一杯だということがひしひしと伝わってくる。




だから、私もそれに応えるように一笑して見せた。




「はい。よろしくお願いします」




「あぁ」




そんな私たちの頭上を、柔らかな雲が穏やかに流れていった。