極力気配を押し殺してベッドへ近付く。 無駄に広い寝室がこの時ばかりは憎い。 静かに、静かに。 ゆっくり、ゆっくり。 心臓が、恋などという甘い心臓の高鳴りとは全く常軌を逸した心拍数を記録している。 変な病気になったら心臓移植させてやる。 呼吸さえ忘れ、時が止まったようにさえ思えてくるような不毛な時間。 こんなことをしている暇があったらもっと豪華な弁当を作れる。 それ以前に、5時半などという女子高生の起床時間にしては常識はずれな時刻に起きなくて済むというものだ。