「田井中くん」




ふいに呼び止められ、振り向く。




「……如月、先生」




確か、中富の代わりに来た臨時講師。




優男のような外見で女子からは人気らしいが、個人的には好きじゃない。




どうにもニヒルな感じがする。




「何ですか」




警戒を隠しながら尋ねると、如月は困ったように頭をかいた。