ゆっくりと目を閉じる。 こんな時に親友の一人でも浮かばないなんて。 充実とはかけ離れた自分の人生を憂いてみた。 余計どうでもよくなった。 「さて、俺はこれから君を殺そうと思うんだけど。一つ質問」 「はい、なんでもどうぞ」 「死について30文字以内で簡潔に述べなさい」 予想だにしなかった難題だ。 人一倍“死”なんてものに無頓着な私が、彼の望む解答を導き出せるとは思えない。 だから、以前知り合いが語っていたことを引用することにした。