ふと視線を見学者用のベンチに移すと、そこには魚住がいた。


「………。」

俺はプールから出て、置いてあったタオルを自分の肩にかけて魚住に近づく。


「なぁ、魚住……だっけ?」


「え?あ、うん。」

急に話しかけられてびっくりしたのか、肩が動いた。


声も可愛い……


「プール…入んないの?」


「私、プールは入れないから。授業は全部見学なの。」


「はあっ!?全部!?」


「あっ…」
魚住はしまったという風に手を口に当てた。