「次は王姫、煉会長と美姫副会長による学園質問です。質問がある方は挙手お願いします」


歓迎会司会の梓が言うと、いくつもの手があがり私たちは驚く。


「案外いるね」

「これ全部答えんのか」

「被ってる質問もあるでしょ」

「てか学園関連の質問きてもパーフェクトに答えられるかわからん」

「一応、一通りは把握してるんだけどね」


マイクを持った業者のお兄さんが手前から手を挙げている人の所へ寄る。



≪王姫のお二方のご趣味は何ですか?≫

「「はっ!?」」



思わず、声を出してしまった。学園の特色やらを聞かれると思っていた私たちへの不意打ちな質問。

良かった、今マイクに音声が入っていたら王姫らしからぬ間抜けな声がホールに響いていただろう。


「最近は料理を少々。作ったものを人に食べて頂くのが楽しいです。ほとんどが煉会長に食べて頂くのですけれど」

「彼女の作ったものは美味しいので、趣味は食べることになってしまいますね」


気を取り直して、少しの笑いを誘いつつ答える。そして、私と煉が仲の良い関係であることをアピールする。

その理由は変にお互いに言い寄る者が出来ないように。

…以前、私たちが王姫になったばかりの頃は王だから、姫だから、と告白してくる者や言い寄る者が多くて困った事があるからこうして“虫除け”をする。