「芽衣、俺たちも散歩する?」
「うん、クッキーまだ余ってるから食べよう!」
悠馬が芽衣の手を取って帰るのを見届けて、ちらりと横を見ると苦笑してる煉がいた。
「おかえり、お疲れ」
「1番の功労者はお前だろ」
「たーっぷりと梓の惚気も聞きました」
「普段の大地からしたらあり得ないくらい弱ってたぞ、あいつ」
「まあ、大地が悪いしね」
「何したんだ」
「んー、秘匿?」
なんだそれ教えろよ、と顔をしかめる煉に笑うだけで答える。
梓はきっと煉と悠馬には言いたくないんだろうしね。
大地に素直に言うといいんだけど。
「ねぇ、煉?」
「なに」
「私たちって他人?」
「幼なじみだろ」
「そうだね」
…幼なじみだね。



