「芽衣、梓は今夜帰ることになったけど、芽衣は泊まってくでしょ?」
「んー、泊まりたいのはやまやまなんだけど、梓ちゃんが帰るって知ったら悠馬が大地と一緒に迎えに来ちゃうと思う」
「…ああ、確かに」
芽衣の予想通り、1時間して迎えに来た大地に悠馬と煉が付いて来ていた。
「梓、ごめん!」
「嫌よ」
「っ…、ごめん」
「こら梓、あんまり大地苛めないでちゃんと話なさいよ」
「大丈夫よ、ありがとね。大地、荷物持ってくれないの?」
「持つ」
「手は?」
「いいの?」
「ほら、」
「ごめんね、ありがとう」
「まだ許してないのよ」
「うん。だから散歩しながらちゃんと文句言って」
梓の荷物を右手に、梓の右手を左手に握った大地は緊張して困った顔が少し解れる。



