「あんだけ普段から梓に甘い大地が今から何か考えてても可笑しくないでしょ」
「…うん」
「で、“他人”ってのは言いたい事の真逆なんじゃない?誰よりも梓の事を大切にしてるよ、大地は」
大地ほど梓を想ってて、梓が大切なのは両親でさえ劣りそうだもん。
あ…梓の顔が赤くなってる。
「どうしよう、凄く恥ずかしい」
「突っぱねた大地が悪いんだから気にしなくていいと思うけど」
俯く梓に内心苦笑していると煉から返信が届く。
…………。
あー、やっぱり。
「大地は梓を傷付けた!怒らせた!何かしたかな!どうしよう!って泣きそうらしいよ」
大地は“他人”ってのは隠し事をするのに精一杯だったから覚えて無いんだろうし。
…大地の泣き顔かあ。
あんな固そうで真面目そうな大地の中身が優男ってだけでも最初はギャップに戸惑ったのに、あの顔で泣かれたらどんなかなあ。
とか思っちゃうのは不謹慎かな?



