その後無事に式が終わり、新入生歓迎会へと変わる。ここでも生徒会中心で行う。

部活紹介や委員会紹介、生徒会による出し物…と普通に聞こえるが中身は豪華。1つ1つ行事が入りそれはそれは丁寧に華やかに行われる。


「煉~、美姫ちゃ~ん」

「あ、大地。どうかした?」

「何か不備でもあったか?」


学校案内ビデオが大スクリーンで流れている最中、舞台の袖口にいた私たちに話しかけてきたのは、生徒会会計の浜野大地。

梓の幼なじみで流鏑馬で全国トップの実力保持者。

きりっとした目に黒の短髪、長身に程よい筋肉のついた身体は真面目で無口な印象を与えるが中身は優男。

常にレディーファーストで身近にいる女の子には甘い。

ただし、外では仏頂面で無口キャラ。


「不備じゃないけど、このあとの確認しようと思って」

「このビデオが終わったら、煉と私の話…。全く、煉もなんでこんなことやるかな」

「うん。王姫による学園質問コーナーなんてよくやるよね」

「先生方からの頼みだから断る訳にいかないだろ」

「そもそも私たちに質問なんかあるわけ?たった今入学したのに?」


そう、次のプログラムは何故か私たちへの質問コーナー。

何がしたいのか分からない。


「まあまあ。ほら、出番だよ」


大地に指差され、見ればビデオがENDの文字を表示していた。

私たちはあきれていた顔を元に戻し、優等生の顔でステージに出る。