梓の言葉に、何も返せない。
「どうやったって、他人なのよ私たち。籍入れられるのは来年だし」
「…高校生のくせになんでそんな大きな問題抱えてんの、あんた」
「私が訊きたいわよ」
「で、大地は仲直りした筈の梓が翌日会ったら怒ってるから訳が分からない、と」
「多分、そうだと思う」
…うん、話の流れは分かった。よくある彼氏の隠し事についての喧嘩を普通とは違った言葉に傷付いた訳か。
大地が悪い。絶対悪い。
まあ、そうまで言って大地が何を隠したかったかは想像出来るんだけどね。
「大地は梓をほんとに他人だとは思ってないのは分かってんでしょ」
「分かってるわよ。大切にされてる自覚あるもの」
「でも大地にそうまで言われて隠し事をされたのがショック、と」
「…少しくらい拗ねたっていいじゃない」
「いいよ。存分に拗ねな」



