隣にいる煉に目配せでアイコンタクトを交わし、頷く。


「梓、久しぶりに泊まりにおいでよ。芽衣も」

「わーい!行く行く!」

「…煉に迷惑でしょ」


素直に喜ぶ芽衣に対して梓は怪訝そうな顔をする。


「大丈夫。煉は悠馬んとこに追いやるから。いいよね、煉」

「ああ、たまにはな」


同じ部屋なのに、あえて大地ではなく悠馬のところと言うのは小さな気遣い。


「…お邪魔するわ」

「うん、待ってる。芽衣、久しぶりに芽衣の焼いたクッキー食べたいな」

「じゃあ、買い物してから行くね!悠馬、一緒に行こう!」

「うん。美姫ちゃん、芽衣をお預かりしました」

「よろしくね」