いやいやいや、梓さん?

喧嘩してないってあのね、いつもなら大地の隣に座るのに今日は隣に芽衣を引っ張ってくるし、生徒会室に来てから1度も大地の方を見ないし。

大地が梓に何か話しかけようとすると遮るし。


「じゃあ、なんでそんなに大地に怒ってんのよ」

「怒ってないわよ。大地なんかどうでもいいし」

「どうでもよくないでしょ」

「いいの。別に私は大地のただの婚約者なだけだし?」


ただの、に力を入れて言った梓に大地は何か言いかけたが結局、口を閉じた。


「あ、遠足のバスの席は美姫の隣に座っていい?」

「いいけど…いつもは大地の隣に座ってんのにいいの?」

「いいのよ、決まってる訳じゃないし。煉が空くでしょ」


ダメだ。完璧にお怒りモードだ。


大地…何したのよ。