ここのちょっと変わった式典が開始する。何が変わってるかというと司会進行を教頭先生や学年主任とかの教師ではなく、生徒が行うってこと。

ちなみに式典だけでなく他の行事も“生徒による生徒の自主性を尊重した行事”をモットーにほぼ生徒中心に行われる。

まあ、このお金持ち学校だから変に教師が関わるより生徒のつてで業者を呼んだ方が早いってのがあるみたいだけど。


「只今より第51回葉山学園入学式を始めます」


もちろん“生徒中心”=生徒会中心って方程式が成り立つのはここも同じで今日の入学式の司会は副会長の私。


マイクを通して、穏やかに優しい声を意識して出す。そして式は順調に進み、煉の生徒会長の話になる。


「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。私たち葉山学園生徒会を中心に皆さんのご入金を心より歓迎致します」


にこやかに笑う煉は一見虫も殺さぬ優しい人を想像させる。初対面の入学生からしたら“理想の王子様”なんじゃないかな。

…煉の事をそんな風に思えたら人生楽なんだろうなあ、と思う。

何も知らぬお嬢様や本当の一般人でこんな学園なんか到底通えない人からしたら私たちはただの憧れの存在。