紅茶を飲み干して、煉にお礼を言おうとすると、声が出ないことに気付いた。
「…声、出ない」
掠れた声で言うと、煉は苦笑した。
シャツを脱いでTシャツを着る煉に気付いてなかったのか、と言われる。
「気付いてない…?」
「美姫、風邪引いただろ」
言われてみれば身体がいつもよりも疲れていて、頭も重い。
「具合悪そうだった?」
「朝からな」
「そんなに?」
「少しな。ただ、お前に言ったところでパーティー休んだりしないだろ」
「まあ、そうだろうね」
「だから、言わなかったんだよ。自覚ないっぽかったしな」
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