走って寮の方に行くと、手の空いていた2年生と3年生が新入生を案内していてくれた。
もっとも、荷物運びやらはそれぞれの家の使用人がやってるからそんなたいしたことではないのだけど。
「荷物運びはあと10分くらいで終わるらしいよ」
「なら先に新入生を集めようか。どうせ使用人さんたちが荷物やるんだろうし」
「そうだね」
「芽衣、新入生に寮を案内してくれる?」
「はーい!」
「梓は資料の手配と寮則の説明お願いね」
「資料は人数分手配済み。寮則も資料に入ってるし大丈夫よ」
「流石だね、梓」
芽衣がパタパタと新入生たちの方へ向かうのを見送り、私たちは寮案内後の集会準備をする。
寮は基本2人部屋となっている。寮生活で1人部屋に使用人付けたのではお嬢様たちの何の成長にも繋がらないから、らしい。
梓は芽衣と同じ部屋。
男子でいうと大地と悠馬が同室。
寮長はあくまで私と煉。だけど、普段王姫寮にいる私たちの代わりに梓と大地が副長となっている。



