スッと煉の左腕で肩を抱き寄せられる。 顔に熱が集まるのを意識して分散させて平常心を保つ。 「美姫に嫌がらせの手紙が届いているのことについて、知っている?」 「…いいえ、知りませんわ」 「煉、黒木さんが知る筈ないでしょう?彼女は優秀な子よ」 ねぇ、と黒木さんに問えば黒木さんの頬は再び染まる。 ただし、先ほどまでの煉に対しての色ではなく、羞恥からのだろう。 「煉、少し外して下さる?」 「ああ」 パタンと音を立ててリビングから出ていった煉を尻目に、黒木さんと向き合う。 「私ね、知ってるの」