「美姫ちゃんいなかったら自分の洋服の場所すら分かんなそうだよね」
「大地ぃ…」
「ほんとのことでしょ。そんな恨めしそうな目でみないでよ」
「どうせお前だって、使用人いなかったら生活出来ないだろ!」
「バカね、煉。大地は煉と違ってしっかりしてるから家事も出来るよ」
「家事が出来ないのはこの中だと煉だけよ」
他の皆はちゃんと専門のエキスパートに教育受けてるからね。
だいたいの事はなんでもこなす。
あ、でも煉は授業とか他の人が見てる時は何でも出来るフリをする。その分のフォローが大変なんだけど。
「なら、今日から俺もやるし。今日から高2になったしな」
「期待せずに楽しみにしてるわ」
「美姫の負担増やさないようにね」
「梓、無理だな。煉が美姫に迷惑をかけない訳がない」
「…それもそうね」
大地と梓に貶される煉は先ほどまでの“王”とは同一人物とは思えないほど。
子供っぽい、私たちしか知らない、私たちの性格。



