「そういえば歓迎会の時に思ったんだけど、美姫ちゃんの趣味がお料理とは知らなかったな。今度一緒に何か作ろうよ」
「こいつの趣味が料理なわけないだろうが」
「失礼だな、煉。料理は好きだよ。まあ、芽衣みたいなのとは違って私は必要だったから覚えたんだけどね」
「煉と2人暮らしだもんね」
「まあね」
そう、私と煉は一緒に暮らしてる。それも2人きりで。
王姫寮という歴代の王姫が使って来た建物に暮らすように、と王姫になった日にこの学園の理事長に言われたんだよね。
「だからメイドやら執事つければ良かったじゃない。歴代の王姫さまたちはそうしてたらしいし」
「あのなあ、今まで俺たちは普通にメイドも執事もいない生活してたんだぞ?お前らみたいに小さい頃から周りに世話してくれる人がいるような生活してないっての」
「それに煉の世話をするのは小さい頃から変わらないからね」
「美姫に世話して貰ってねぇ」
「あーら、朝が苦手な煉を毎朝起こしてるのは誰だったかしら」
「煉って美姫ちゃんいなかったら間違いなく餓死するよね」
「悠馬までそんなこと言うか」



