「分かった、寝るから」


煉が座っている方と逆側に身体を寄せて、ベッドにスペースを作る。

元々が1人用には到底思えないキングサイズのベッドだからそんなに寄らなくて済むんだけど。


「絶対煉は寝ちゃうから、ベッド入って」


妥協案だ、仕方ない。

明日から修学旅行なのに変な体制で寝かして疲れさせる訳にはいかない。

かといって、煉がすんなり自分の部屋に戻るのは無理だから。

意中の相手、好きな相手と一緒に寝るのは多少気持ちを高揚させるけれど、煉相手だから本当に“多少”だし。

何より今は、休息が最優先。


「美姫、俺も男だって前にも言ったよな?」

「このまま座って煉が寝ちゃうなら所詮一緒よ」