まあ、すぐに治まるだろう、と践んでいた私たちの考えは甘かった。

初めての手紙から修学旅行を前日に控えた今日までの数日間で、手紙は簡単には隠しきれない数に膨れ上がった。

封筒は白か黒の無地。

中身は相変わらず真っ白のコピー用紙に綴られる機械的な文字。

手紙の内容はどれも短絡的な考えのもので「煉様は渡さない」だの「煉様に相応しくない」だのといった幼稚なもの。


「美姫ちゃん、大丈夫?」

「大丈夫よ、芽衣。これくらいで美姫がへばる訳ないじゃない」

「やだ、梓ったら。センチメンタルな乙女に向かって酷い」

「棒読みで言わないでくれる?リアリストのくせに」


本気で心配してくれる芽衣に呆れたように手紙を見る梓に、私はオーバーにリアクションする。

ぶっちゃけ、こんな子供じみた嫌がらせに堪える程、柔な心も泣ければ幼い頭もない。