「では、次で最後の質問とさせて頂きます」
私たちが飽き始めてから結局30分も質問が続いた。ようやく区切りが見えたので梓がラスト1問の人を指名した。
ラスト1問を質問するのは長い黒髪で綺麗な顔をしていかにも“私はお嬢様さまなのよ”といった顔をした子。
≪お二方は兄妹のように育ったと聞きましたが、お二方の出会いはどのようでしたか。お相手の事をどのように思っていますか≫
「…出会いといわれても困るのですが、気がつけば隣にいた存在なので特に出会ったというのはないです」
「そうですね。…幼なじみとはそういうものではないでしょうか」
「美姫副会長の事をどう思っているかですが、隣にいるのが自然で当たり前だと思っています」
「生まれてから16年間側にいますから、逆にいないと落ち着かないかもしれません」
≪では、お互いは特別な関係…婚約者でしょうか≫
黒髪の子は、まっすぐに私と煉を見てきている。周りにいる生徒もそれが聞きたかったと言わんばかりに真剣に私たちを見ている。…うわ、先生方もだなんて何やってんですか。
ちらり、と横を覗けば煉も私を見る。うん、分かってるよ。
…実は、こういった質問は初めてではない。王姫になったばかりの頃、私たちが幼なじみだと知れるといろんな人に散々聞かれたから。
「ご期待を裏切り申し訳ありませんが、そういった関係ではございません」
会場がどよめく。



