「覚えてるよ。君も覚えてる?」

「もちろん。ずっと見ててくれてた。ありがとう。」

お互い名乗る前に、古の記憶を確かめあう。



あの夢物語でもそうだった。

走って言った私の言葉を制し、貴方が聞いてくれた。

「御前、某を覚えてるか?」



ここから紡ぐ関係。

私たちは再び出会った。

「僕は長倉理久。クラスは2C。特技は剣道。」

「私は今西優美。クラスは2A。特技は歌うこと。実は転校生。」


二人で顔を見合せ、笑いあう。


古の記憶を確かめ、話始めた私たちだけど、これからの関係は私たちだけしか分からない。

でも、貴方なら、理久となら紡いで行ける気がする。





FIN