「ねぇ、僕…。」

そこまで言って言葉に詰まる。

そんな彼を私はジッと見つめる。

この気持ち何だろう。

初めて会った気がしない。

意思の強そうな目が、気の弱そうな彼の顔立ちを凛々しくさせている。

まるで、夢で見た貴方を見てるよう。

初対面の貴方に伝えていい?

この淡い気持ち。

「ねぇ、私のこと覚えてる?」




その一言で充分だった。