僕は君にたどり着いた。

でも、必死に走ったせいか、声が出ない。

君が声をかけてくれたね?

「誰?」

って…。

すぐ答えたかったけど、掠れる声が発した言葉は…

「間に合った…。」

脇腹を手でおさえ、髪はバラバラ、制服も整ってはいないけど、僕は君に伝えたい。

彼女は僕の方を見て、目を見開く。

あの夢の中の君のように…

やっぱり君だ。

夢で見た君の姿だ。

美しく、凛とした表情。

白いブラウスが良く似合う純潔さ。

纏う高尚な雰囲気。

「ねぇ、僕…。」

そこまで言ったけど、言いたい言葉が出てこない。