[わかった・・
じゃああたし帰るね。
楽しんできなよお兄ちゃん]

あたしは笑顔でそう言うと
街灯だけの薄暗い道を
歩きはじめた。

11月の夜風が
頬をかすめていく。

一人きりの手は冷たくて
遥の手に触れたいって思った。