――今から仕事だからね。



あたしはメイドがついだ
コーヒーに口をつけて、
窓から差し込むまぶしい
朝陽に少しだけ目を細めた。




あたし、神月 亜莉紗
(かんづき・ありさ)。

少し前に21になったばかり。



この朝の風景からして
わかるように、我が家は
ちょっと普通の一般家庭
とは違う。



場所は世田谷の一等地。


そこにある、メイド数人が
住み込んでる大豪邸。



家族は両親とあたし。


つまりあたしは、一人娘。